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出産リアル日記

やっと、
やっと産まれてくれましたよ。本当に・・・大変だった〜。
立会いしてよかった〜。大変だった分、感動もひとしお。

すがすがしい晴天の2/2
夕方17:04 3200g 女の子
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忘れそうなので、鮮明に当日の出来事を覚えている間に備忘します。
〜陣痛編〜
昨晩、病院から帰らされるもなかなか眠れず、朝5時過ぎに嫁から電話があった。
心細そうな声で。軽い睡眠薬で眠れるようにしてもらっていたものの陣痛は痛い。
散々見ていたのでよく分かる。まだすぐには来そうもないとのこと。
電車は動いている。
いつでも行ける準備はしておいた。


ただ、睡眠不足で今行っても恐らく自分が役立たずで邪魔になるだけだと思い、ちょっとだけ睡眠をとり、6時過ぎに嫁にメールをしたところ子宮口が5センチとのこと。ようやく半分くらいまできたところだ。
それから大井町の朝マック後、病院に駆けつけた。(旦那用の朝食なんて病院では出ないので。)
駆けつけたときにはトイレで苦しんでいる嫁発見!「おい!大丈夫か!?」


確実に昨日より陣痛の痛みは激しくなっている。いきみたくなっているのよく分かるし体力消耗しているのも感じた。
子供が降りてきていると排便を催したくなるようで、子供なのか排便なのか本人も分からなくなるそうだ。
なので、トイレに行って出そうとしても何もでない。まじめな話。。。


そんな2日目のスタートから早、24時間の陣痛が経過した。
本人曰く、夜、痛みと一人で戦っている間が一番辛かったようだ。
水を取りたいと思う行動一つに苦労する中、傍に自分がいるだけで安心できるらしい。
いわゆるパシリでも役に立ってると言われるだけで嬉しい。
「そんな事言ってくれる妊婦さんいないよ!」なんて助産師さんにも言われて。
改めて、出産はお母さん、お父さんの協同イベントだと感じた。
(世の妊婦さん、付き添いの旦那さんにどんなに使えなくても感謝を一言言ってあげるだけで男は救われるものです。だって男は分からないなりにどうにかしてあげたい!楽にしてあげたいって思っているのですから。そこそこ文句言われるのだって覚悟してますとも。)


そんなこんなで12時過ぎ、お昼の配膳が来たころ陣痛がMAXに達しているように傍からは見えた。
3分間隔くらいで、ご飯を口に入れたと思ったら痛みが走る。
見ていて本当に辛い。痛みをこらえる声に何も出来ない自分の無力さを思い知らされる。
腰をさするより、うちの嫁の場合は腰に手を当てるくらいが良いようだ。(これは人によって違うみたい)
だんだん痛みが腰上から腰下になってくるのが分かってきた。
あと、いきみたくなるのを止めるためにお尻の穴付近をテニスボールで押してあげると楽になるようだ。
(人に寄ってはゴルフボールがあう人もいるようだが、うちはテニスボールがよかったようだ)


助産師さんの検診の度に部屋の外に出され、ふと一人になる時間がある。
扉の奥では、苦しんでる声が聞こえる。
じわっとこみ上げるものを感じる。(*出産の中で一番感情が溢れた場面)
「旦那さん、子宮口が7センチくらいまできましたよ」
嬉しいけど、早く楽にさせてあげたかった。
*なんだか、映画「東京タワー」の抗がん剤を飲んで苦しんでる母を見ている1シーンみたいで。
ぜんぜん状況は違うけど、通ずる心境はあるとおもう。。。


それから14時くらいまで一旦、陣痛の間隔がまた開いてきてしまった。
これ以上、母親の体力を消耗するのはちょっと危険なので促進剤を使いますと、先生に言われた。
最近は産院も大変だ。
「同意書確認してもらえましたよね?」
「はい」
そんな危険な薬ではないのは分かっているし、きちんと同意書がないと、病院も色々大変なのは良く知っている。
子宮口7センチまで来ているので最後の促進としてちょっと使うだけで済んだのでよかった。
徐々に子宮の縮まる力が増し、間隔も短く、痛みも大きくなる。
嫁も、叫びまではしないにしても、声は震え、力の入った腕の筋肉が痙攣している。
今日一日ずっと腰に手を当て、テニスボールを握っている自分の手もだんだん熱くなって熱をもってきた。


15時過ぎ、うちのお袋は、いても立ってもいられず、病院に来てしまった。
嫁に変なプレッシャーを与えたくなかったので、俺が拒んでいたのだが、嫁も産後はうちの実家で静養することもあってこの苦しんでいる姿も見てもらっておいた方がいいから来てもらって良いと言ってくれた。


16時40分、検診と共に子宮口8センチの段階で分娩室へ。
「もう一息だ!がんばれ!」
もうこうなったら嫁も俺も最後の力を振り絞っていざ出陣!



〜分娩編〜
分娩室に入ってからは早かった。


自分も今思うと陣痛中よりはむしろ冷静で。
嫁の頭側に陣取り、的確に汗を拭き、水を飲ませ。
それが的確か!?と言われるとどんなものか分からんが、自分ではナイスな部活のマネージャー的、サポートだったと自負している(笑)


助産師さん同士:「今日、先生は?」(俺の心境:え?先生いないの?)
「先生呼んできて。」「さ、はじめましょう。」(俺の心境:先生来ていないけど始めるんすね!?は・はい。。)
*ただ、見るからにもう数々の経験を積んできた助産師さん2名だったので安心はしていた。
助産師さん:「はい。羊膜まずは破りますからね」
嫁:「はい。」(結構、冷静)


『ブチッ』(俺の心境:おお!音がした!しかも羊水飛び散ったぁぁ!(でも俺、案外冷静だった。へーあんな音するんだ。))
*確かに破水すると音が聞こえる人がいるって言うもんね。水風船を割った感じだった。


『ドロッ』羊膜が破れたと同時に、何やら下にどろっとエイリアンが出てきたような音と共に流れ落ちる音が聞こえた。さすがにこちらからは何が出たかは分からなかったけど。。



ちょうど、その頃、うちの定期健診の主治医の先生がふら〜っと分娩室を横切って。
補助の助産師さん:「先生、今日は?」(俺の心境:あれ?先生今日当直じゃないんすか!?)
*どうやら心配で見に来てくれたみたいで。


補助の助産師さん:「今●●先生いらっしゃらないんです。先生お願いできます?」(俺の心境:やっぱり産院は先生足りないのね。。。他の人を見ているのだろう。今日だけでも何人も陣痛中の妊婦さんいそうだったし。オペと違って出産は予定通りに進められないもんな〜大変だ。。(これまた結構冷静。横では真っ赤な顔でいきんでいる嫁がいる))。
先生は横で見ていてくれている。


さー、ここからが妊婦の力の発揮どころ!
助産師さん「いきみたい、タイミングでいきんで!」
嫁: うなずく



タイミングが来た。
嫁は俺の手をぎゅっと握って。これまでにないくらい強い力だ。
こっちの手の血管が浮かび上がるほど。

嫁:「ん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


助産師さん:「大きく息を吸って〜」


嫁:(すぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)
助産師さん:「はい!すぐにいきむ!!」


嫁:「ん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

その間、俺も手を握り返し、嫁の頭を後ろから胸の方に押さえ込んであげる。

助産師さん:「声を出すともったいないよ〜」

嫁:うなずく

これが4回続いたころだろうか、赤ちゃんの頭が出てきたのが、自分の立ち位置からも確認できた。
嫁の耳元で「見えてきたぞ!がんばれ!」
嫁:うなずく
助産師さん:指で頭をかき出す。(俺の心境:え!そんな強く引っ張ってもいいの!?!?(赤ちゃんの頭は柔らかいって聞いていたので))

助産師さん:「ほら、触ってみて!頭きてるよ!」
嫁:恐る恐る手を股間に・・・「あ!ホントだ!」(文字で書くとなんともこっけいなワンシーンだが、嫁、助産師さん、本人たちは真剣そのもの)


その後2回目くらいのいきみで顔半分と左手が出てきた!
なんと、半顔で目を開けてパチパチしているではないか!
外の世界を見た瞬間だ。
にしても、手まで一緒に出てきてしまうとは・・・
*本来は頭、片肩から交互に腕が出てくる
どうやら臍帯がたすきがけ状態で絡まっていたようだ。(これが陣痛が長引いた原因の一つと思われる)


そこからいきむ時に、嫁の耳元で「マタニティスイミング」と囁く。

*嫁はマタニティスイミングの練習の中で、潜水息止め1分を達成していた。ここで発揮するところ。と思い、伝えた。

嫁:うなずく(分かってくれたようだ)

助産師さん:「沢山呼吸して赤ちゃんに酸素送って!!!」

嫁:「ハッハッハッハッハッ」(短い呼吸法)


赤ちゃん:(でろ〜ん)(俺の心境:おおお!!!出てきた!!!)

嫁:「はぁ〜〜〜〜!!!」(でたーーーー!という気持ちと、今までいきんで声が出せなかった分、ようやくでかい声で「はぁ!!!」と言えた)

助産師さん:(赤ちゃんを叩く)(俺の心境:何!?泣かない!がんばれ!)
助産師さん:叩き続ける(赤ちゃん、真っ青&でろ〜〜ん)

補助の助産師さん:「小児科!」
*すぐにへその緒を切って隣の部屋に連れて行った。

助産師さん「5時4分!」(17:04) 

吸引処理:何かで吸い取っている音が聞こえる(歯医者さんで『ガァーーっ』て音がするやつ)

赤ちゃん:「オッギーャ」(俺の心境:おお!泣いたよ!泣いたよ・・・(泣)ほんとに心配させて。。。)

先生:(胎盤出し中。嫁のお腹、ぺこぺこ押してる。非番なのにすんません。。)

嫁:「痛い!」(これまで分娩室に入ってから結構、男らしく冷静だった嫁が初めてここで痛いと。胎盤出すときうちの母も言っていたがこれがなかなか痛いようだ。(赤ちゃん産んだ後はホッとして痛みの感覚が戻るのだろうか?))

『ドロンッ ピチャ』(胎盤が出る音)

嫁:「写真撮って!」

俺:「いや、赤ちゃんの方が心配でしょっ!」
嫁:「私はがんばって出した!後は、赤ちゃんの力!」(俺の心境:え〜結構ドライなのね・・・(汗))

俺:『カシャ』(カメラで撮影)
*普通のお父さんは、こんなの見たら気持ち悪くなるらしい。自分は今思うとやたら冷静でした。

先生:嫁のを縫合してる

俺:「先生?向こう行って赤ちゃん見てきていいですか?」

先生:「はい。いいと思いますよ。」

隣の部屋(ハハハ。助産師さんたちの笑い声が聞こえてくる)

俺:「見てくるね>嫁」

嫁:うなずく


俺:隣の部屋へ「どうですか?大丈夫でしょうか?」(小児科の先生が来てくれていた)

小児科の先生:「応急処置が良かったようね。羊水を飲んで呼吸が出来なかったみたい」
*体も褐色に変化し、酸素も標準値まで上がっていた。

俺:ホッとする。「ありがとうございます!」急に力が抜ける。

助産師さん「写真とっていいわよ」

赤ちゃん:髪の毛ふっさふさ、背中まで毛が生えている。黒目の大きな二重の子。パッチリ目を開けて新しい世界に登場しましたって顔して。金魚みたいに口パクパクして

俺:このやろっ!心配させやがって(泣)

俺:「大丈夫だったよ>嫁」(撮った写真を見せる)

その後、嫁は股を開いて縫合されるのであった・・・


その間、父親の役目はビデオを回して、写真を撮って。
大忙し。
忘れてたお袋を呼んできて(笑)
一生懸命赤ちゃんを撮っているお袋の姿見て、(俺の心境:おばあちゃんになったんだね〜)。
嬉しかったんだろうにちょっと目を赤くして。


そんなこんなで、元気な赤ちゃんをカンガルーケアで嫁の胸元においてあげると、ゆっくり目をつぶって眠ってしまった。赤ちゃんも疲れたんだろうね。
二人ともよくがんばった!
本能で乳首を銜えて寝ぼけながら吸っている。
自然と見ている側をホッとにやけさせてしまう力を持っている。


うちの親父も、仕事帰りに駆けつけてくれて、新おじいちゃん、おばあちゃんの撮影も出来た。
ようやく、ここで、気が張っていた糸がプチって切れてお父さんになった俺も急に疲労感に襲われた。


実に長い一日半の陣痛に耐えて嫁も良くがんばりました。
脇役ながら自分もほめてやりたいと思う。



生命が誕生するってすごいし、"生きる"ってほんとに素晴らしいことだ。


本当に出産イベントに自分も参加できて本当に良かった!
これからは大きな課題として育児プロジェクト発足ですな!


「お疲れ!」